お知らせ 健康コラム
Vol.3 “腸の力”があなたを救う 40代から始める認知症予防

 

厚生労働省によると、認知症の患者数は2025年に700万人を超えると推計されており、「認知症予備軍」を加えると3人に1人が認知症またはその予備軍となります。その予防法として注目されているのが、腸内を元気にして脳を活性化することです。

腸内細菌が認知症に関連、予防法の開発に大きな期待

認知症の原因疾患の6割以上を占めるのが、アルツハイマー病です。アルツハイマー病は「第3の糖尿病」とも呼ばれています。最近になって、アルツハイマー病にはインスリンが関わっていることがわかってきました。脳は神経細胞とグリア細胞、血管とで構成されています。脳の神経細胞のエネルギー源のほとんどは糖ですが、その時に重要な働きをするのがインスリンです。しかしアルツハイマー病患者の脳では、インスリンが不足してしまい、脳細胞の約半数を占めるグリア細胞が血液中の糖を取り込めなくなってしまうことが明らかとなっています。

アルツハイマー病の原因として知られているのが、アミロイドβ(繊維状のタンパク質)の脳への凝集・沈着です。このアミロイドβをアミノ酸に分解するのがネプリライシンという酵素です。理化学研究所の西道隆臣先生らの研究によって、ソマトスタチンというホルモンがネプリライシンの活性を上昇させ、アミロイドβの分解を促進することが発見されています。しかし加齢やストレス、食生活などが原因でネプリライシンの活性が低下すると、アミロイドβが凝集・沈着する老人斑が引き金となり、その後、神経原繊維変化が生じて、リン酸化したタウタンパクが蓄積され、神経細胞死に至ることがわかっています。このタウタンパクの蓄積までには10~15年の期間がかかるといわれています。

“腸活”で認知症予防を実践しましょう

アルツハイマー病を発症するのは65歳以上が最も多く、65歳未満に発症する認知症のことを若年性認知症と呼びます。そこから逆算すると、40~55歳の期間に生活習慣を改善したり、ストレス対策をとったり、腸内環境を整えることが、アルツハイマー病の予防につながるとみられています。

海外では、腸内細菌がアミロイドβの凝集・沈着に関わっていることが示されたとする論文も発表されています。

国立長寿医療研究センターもの忘れセンターの佐治直樹副センター長らの研究によると、日本人の高齢者における腸内細菌叢の組成は認知症と関連している可能性があることが明らかとなりました。研究は同センターのもの忘れ外来を受診した患者を対象に、認知機能検査や頭部МRI検査などを実施。検便サンプルを民間の分析機関に送付して、腸内細菌叢を解析し、腸内細菌叢の組成と認知症との関連を分析しました。その結果、認知症患者はバクテロイデスと呼ばれる菌が少なく、種類が不明なその他の細菌が多いことがわかりました。バクテロイデスは日和見菌として分類されることが多いですが、近年、腸管免疫で重要な働きをすることも明らかになっており、人体への有用性が期待されています。

このほか、腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸には認知機能低下を抑制する効果があることも示唆されています。

厚生労働省は9月25日、エーザイとバイオジェンが共同開発したアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」の製造・販売を承認し、年内にも実用化される見通しとなりました。病気の原因物質とされるアミロイドβを除去することで進行抑制を狙った初の認知症薬となります。軽度認知症患者と、その前段階の軽度認知障害の患者が対象ですが、あくまでも認知症を発症しないための予防の取り組みが重要であることは言うまでもありません。糖尿病や歯周病もアルツハイマー病と深く関係していることが報告されており、予防には規則正しい生活をおくることが重要となってきます。

人を対象に認知症の予防効果を科学的に検証するには数十年という長い期間の調査研究が必要となりますが、それを待っていては、患者はますます増える一方です。

発症すると根本治療がないのが認知症です。まずは、今からできることを予防法として取り入れていくことが得策です。認知症予防の1つの取り組みとして、日常生活の中で“腸活”を実践されてみてはいかがでしょうか。

「健康の輪」No.33より一部抜粋・加筆

 

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